さいたまの建具屋さん

さいたま市にある襖、障子、室内ドア専門店です。

動かない引き戸を直す

お家の経年劣化による、建具が動かなくなる事がございます。
今回は、和室の引き戸(戸襖)の修理をご紹介します。


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鴨居(上部の溝)にスキマがありません。


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スキマが無ければ外せませんので、鴨居ジャッキを使って鴨居を持ち上げて外します。
原始的な方法に見えますが、一番有効ですね。


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外した建具を削り、枠の内寸より2~3mm低くします。
枠に入れると、敷居(下の溝)に1.5~2mm入り込むので、見た目は4mm前後のスキマになります。
これで、開け閉めをチェックし、作業完了です。


「どうして動かなくなるの?」というご質問も多くいただくのですが、考えられる事として
■柱の水分が抜け、木が縮む
■家の重量で、鴨居が下がる
■新築時、建具をギリギリで入れている(クリアランスが無い)
という点が挙げられます。

木が縮む事、重量で下がる事を「家に狂いが出る」と言います。
地盤の関係で、家が歪む事も同じです。
狂いに備えて、建具は新築時にクリアランスを設けておく事がベターなのですが、この判断は職人さんによって違うのです。

スキマが大きいと「雑な工事」、ギリギリに入れる事こそ「腕の見せ所」と思う職人も多くいます。
(私の師匠も、その考えでした)
ですが、家は狂うもの、木材は生きている(湿気を吸って伸びる、吐いて縮む)と考えると、ギリギリはダメですね。

建具の高さ、場所、家の構造にもよりますが、引き戸で2~3mm、開き戸で3~5mm必要だと考えております。
(私の師匠は、0.3~0.5mm以下という考えでした)
経年劣化だけでなく、四季の環境変化、エアコンなど、木材が狂う要素が多くございます。
それを考えて建具を作り、長く安心して使えるように取り付けを行う事こそ、腕の見せ所だと考えております。


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