猫間(ネコマ)障子
障子の下半分が上げ下げできる障子を『猫間障子』と呼びます。
『雪見(ユキミ)障子』と呼んでいる方も多く、こちらのほうが通じるように感じますが、雪見は下半分が開けっ放しで、上げ下げするスライド障子が無いタイプになります。
専門用語を覚えていただく必要はございませんが、できれば正しくご理解いただきたいところです。
まぁ、プロの設計士さんでも混同しているくらいですので、どちらでも正しいと考えるべきかもしれません。
猫間と書くくらいですので、猫にちなんだ障子です。
猫が外に出る時に便利なように、下半分が開けられる仕組みになっているのです。
ですので、本来はガラスが無いものですが、最近の猫間はガラス入りが殆どです。
雪見障子はガラスが入るので、ハイブリットと言って良いのかもしれません。
*摺り上げ雪見障子という呼び方もあるそうです。
『床の間』『茶の間』『客間』と、『間』は部屋を意味する言葉ですが、『猫専用の部屋があった』という事ではありません。
寝室を指す『寝間(ネマ)』が訛って『猫間』となったという説もあります。
猫の出入りではなく、寝室の換気の為に開閉できるように作ったという事です。
(正しい説なのか、俗説なのかは分かりません)
『雪見』と『猫間』を混同してしまうと書きましたが、これは地域性があるようです。
猫間にも種類があって、写真のように上げ下げするタイプだけでなく、中央部を引いて開けるタイプもあります。
これも猫間障子です。
この位置では猫が出入りしにくいので、『寝間から訛った』というほうが正しいようにも感じます。
う~ん。
正解があるのかどうか?
私の師匠は新潟の人でしたので、呼称にも地域性があるかもしれません。
もっと勉強します。
さいたまの建具屋さん s.tateguya@gmail.com