ヒノキに似た材料 スプルースについて
ヒノキに似たスプルースという材料があります。
昨年、当店で出荷した障子の80％が、このスプルース製です。
ヒノキより安価なので、多く用いられます。
スプルースは無臭と言えるほど香りがありません。
ヒノキの香りにはリラックス効果がありますが、スプルースには、ほとんど無いと考えたほうが良いです。
ゼロパーセントでは無いかもしれませんが、あまり期待しないほうが良いですね。
それから、年数が経ってからの劣化です。
ヒノキは劣化が少ないのに対し、スプルースは枯れていく感じがします。
油分、水分が無くなり、ガサガサした手触りになります。
トゲ、ササクレも目立つようになり、手を怪我する危険があります。
また、湿気が多い場所、結露の酷い窓に使うと、スプルースの劣化は早くなります。
ガサガサするだけでなく、カビが発生する事もあります。
ヒノキは、そのような問題はありません。
ただ、近年の住宅は2重サッシ、遮熱（断熱）ガラスを用いているので、窓の結露はとても少なくなりました。
紫外線も和らいでいます。
その為、ヒノキとスプルースの差を大きく感じる事は少ないかと思います。
香りを気にしなければ、どちらでも良いとも言えます。
私も、スプルースにマイナスのポイントがあるとは思っていません。
ただ、ヒノキの良さを知ると、そちらを使いたくなるのですね。
