さいたまの建具屋さん

さいたま市にある襖、障子、室内ドア専門店です。

【障子紙】貼替のタイミング フィルター効果と調湿効果

障子の貼替は、何年間隔で行うべきかという質問を多くいただきます。
環境などにも左右されるので一概には言えませんが、ここでは障子紙が持つ『フィルター効果』と『調湿効果』が、どこで無くなってしまうかという観点で説明させていただきます。
フィルター効果とは、空気中のゴミ、汚れなどを吸い取る効果です。
天然の空気清浄機と考えると分かりやすいかと思います。
調湿効果は、多湿時に湿気を吸い込むことで結露を防止し、カビの発生を抑える効果です。
乾燥時に吐き出す事で、繰り返し吸い込む効果が発生します。


まず、安価なパルプ製ですが、これは1年程度で効果が無くなります。
というか、そもそもフィルター効果、調湿効果ともが少ない素材と言えますので、1年も続かないと思います。
調湿効果を失う頃、強度も著しく衰えます。
直射日光による強度低下も早く、触っていないのに破けてしまう事もあります。


次にレーヨンなどを混ぜたパルプ製ですが、3~5年といったところです。
パルプの比率が高いほうが低寿命になります。
和紙ほどではありませんが、ある程度、長持ちする素材だと言えます。


最近多くなっているプラスチック障子紙、ビニール障子紙と呼ばれる素材については、フィルター効果や調湿効果は無いものとお考え下さい。
(商品により違いはあります)
強度低下は少ないですが、調湿効果が無いので、気が付いたらカビだらけになっていたという事もあります。
破れにくく長寿命と考えがちですが、結露、カビという点では問題があると言えます。


最後に和紙ですが、5~10年と長持ちです。
直射日光による強度低下も少なく、日焼けにも強いです。
調湿効果は長く続くので、防カビには有効な素材です。


破れたタイミングで貼り替える事が多いと思いますが、フィルター効果を考えると、破れる前の貼替も重要だとご案内しています。
安価なパルプ製では1年続かないのはショックですよね。
これも、当店が和紙に切り替えを考えた要因でございます。


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