【障子紙】糊について

障子を貼る糊にも、いくつかの種類があります。
当店が使っているのは澱粉（でんぷん）糊です。
貼りやすく、剥がす際も障子本体を傷めない糊です。

市販品も澱粉糊が多いのですが、成分を見ると『酢酸ビニル樹脂』が入っているものが多いです。
これは、木工用ボンドの主成分であり、接着性は強いのですが、純粋な澱粉糊より剥がしにくいのが欠点です。
専用のはがし剤も売られていますが、障子を傷めるリスクが高いものになっていますので、できるだけ使いたくないですね。

次に両面テープですが、これは、次回以降の貼替を考えると、できるだけ使うべきではありません。
剥がす際、障子本体を傷めてしまうからです。
これも、専用のはがし剤がありますが、やはり障子本体へのダメージが大きいものです。

はがし剤を使うと、障子（木材）の油分も無くなってしまい、ガサガサした障子になります。
トゲ、ササクレが出やすくなり、開け閉めの際に手をケガする事もあります。
経年劣化でガサガサになってしまう事もありますが、はがし剤を使えば、新しい障子でもガサガサになりやすくなります。

アイロンで貼る障子紙もありますが、これも剥がす際のリスクを考えるとおススメできないものになります。
高熱を充てると剥がしやすいとはいえ、弱い部分は木と一緒に剥がれてしまいます。

両面テープやアイロンで接着する障子は「次の貼替をしない」と考えてお使いいただくようにお考え下さい。
当店に貼替をご依頼いただいた場合、両面テープ、アイロンで接着したと判断した場合は、障子へのダメージをご理解いただいたうえで作業に当たらせていただきます。
正直申し上げて、両面テープやアイロンで貼った障子の貼替は、お引き受けしたくないですね。
（お断りではありません）

さいたまの建具屋さん　s.tateguya@gmail.com